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漢字検定と考える力

昨日、小学校では漢字検定がありました。

柴又教室も、漢字検定を行いますが、あまり熱心に勧誘していません。

生徒さんやご父兄から依頼があれば、特別に授業を行う程度です。

なぜかというと、最近は、漢字検定を単なる暗記学習と勘違いしている風潮があるからです。

日本漢字能力検定協会のホームページを見てみると、こういう記載があります。

「漢検とは、漢字能力を測る検定試験のこと。

漢字の意味を理解し、文章の中で適切に使いこなす能力を測っています。」

つまり、漢字検定は漢字が読み書きできるだけではダメなんです。

文章中で適切に使いこなす能力がなければならない。

ところが実際にはどうでしょう?

単なる一夜漬け。検定が終わると翌日には、すっかり忘れている。

しかも7割できれば合格だから、意味も使い方も分からないまま、

合格証書をもらって次の級に進んでしまう。



日本漢字能力検定協会のホームページでは、次のようなことも書いてあります。

「弊協会では、子どもたちが豊かな言葉の力を獲得するためには

たくさんの本を読むことが大切であり、

もっと多くの子どもたちに読書に親しんでいただきたいと考えています。」


本来、漢字というのは、本を読んだり、新聞を読んだり、辞書で調べたりして、

自然に身についてゆくもののような気がします。

つまり、自分の心の成長とともに漢字の知識が広がってゆくということです。

それが、検定協会の本来の趣旨から外れて、漢字だけをパズルのように覚え、

読書や作文はずっとずうっと後の後回し。

漢字は好きだけれど、「読書や作文は大嫌い。」という生徒が増えています。

まさに本末転倒、という気がしています。


そこで提案ですが、漢字検定の内容も漢字を読み書きするだけでなく

指定図書の読書感想とかテーマを与えて作文を書かせる、

なんていう問題を取り入れてはいかがでしょう?

もちろん、その級に求められる漢字を織り込んで。

ひらがなで書いたら減点とか。

きっと採点が大変になるでしょうね。

でも、先日ノーベル物理学賞受賞が決まった益川教授は

「大学入試は、採点が楽になるようにできていて問題だ。

人間は本来好奇心がいっぱい。それに応える教育システムを考えてほしい。」

と発言されていたそうです。



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